皆さんこんにちは
株式会社K・Mテックの更新担当の中西です。
エレベーターは、大きな機械装置であると同時に、高度な電気・制御設備でもあります。
利用者が乗場ボタンを押すと、制御装置がかごの位置や運転方向を判断し、適切な階へ移動させます。到着後には、かごと乗場の扉が連動して開き、利用者が乗り降りすると自動的に閉まります。
この一連の動作では、多数のセンサー、スイッチ、モーター、安全装置が連携しています⚡
一つの信号が正しく伝わらなかったり、配線が誤っていたりすると、停止、誤作動、ドア不良などにつながる可能性があります。
そのため、エレベーター工事には、配線図を読み取り、正確に結線し、制御動作を確認する技術が必要です。
今回は、エレベーター工事における電気・制御・ドア装置・安全装置の技術についてご紹介します。
制御盤は、エレベーターの運転を管理する中心的な装置です????
乗場からの呼び、かご内の行先登録、現在位置、ドア状態、安全装置の信号などを確認し、巻上機やドア装置へ動作指令を送ります。
制御盤を設置する際は、指定された位置へ確実に固定し、点検や部品交換ができる空間を確保します。
周囲の温度や湿気、ほこりにも配慮が必要です。
配線を無理に引っ張ったり、扉の開閉部へ挟んだりしないようにします。
制御盤内には多くの端子や電子部品があるため、配線番号や接続先を一つずつ確認します。
似た色や形の線でも、接続先が異なります。
施工者の記憶だけに頼らず、図面と表示を照合しながら作業します????
エレベーターを動かすには、巻上機、ドアモーター、照明、制御装置などへ安定した電源が必要です。
建物側から供給される電源の種類、容量、接地などを確認します????
容量が不足すると、運転時に電圧が変動したり、保護装置が作動したりする可能性があります。
動力用、照明用、非常用など、用途ごとに必要な回路を正しく接続します。
昇降路内の配線は、かごや釣合いおもり、ロープなどの可動部へ接触しない位置へ施工します。
ケーブルを支える金具を適切な間隔で取り付け、垂れ下がりを防ぎます。
金属の角へ直接当たる場所には保護を行います。
見えない部分の配線であっても、長期間の振動や動作に耐えられる施工が必要です。
かごは昇降路内を上下するため、かごと制御装置をつなぐケーブルも一緒に動きます。
このケーブルは、かごの位置に合わせて曲がりながら移動します????
取付位置や長さが不適切だと、昇降路内の部材へ接触したり、ねじれたりする可能性があります。
かごが最下階と最上階へ移動したときの両方を確認し、無理な張力がかからないようにします。
移動ケーブルには、かご内操作盤、照明、インターホン、各種センサーなどの信号線が含まれます。
外見に傷がなくても、繰り返しの曲げによって内部が劣化することがあります。
施工時に折り曲げたり、床へ乱雑に置いたりせず、丁寧に扱います。
各階には、エレベーターを呼ぶための乗場ボタンや、かごの位置を示す表示器があります。
利用者が自然に操作できる高さと位置へ取り付けます????
壁面から浮いていたり、傾いていたりすると、見た目だけでなく、水分やほこりが入り込む原因になる場合があります。
建築仕上げとの隙間を確認し、丁寧に納めます。
ボタンを押したときに呼びが正しく登録されるか、表示灯が点灯するかを確認します。
上下方向の表示や階数表示が正しいかも重要です。
複数階の配線が入れ替わっていると、別の階からの信号として処理される可能性があります。
一か所ずつ動作試験を行います。
エレベーターの事故や不具合で、利用者が気づきやすいのがドアの異常です。
開閉が遅い、途中で止まる、異音がする、閉まりきらないなど、さまざまな症状があります????
かごドアと各階の乗場ドアは、かごが停止した階で連動して動きます。
レール、ローラー、ハンガー、連動部品などを正確に取り付け、滑らかに動くように調整します。
ドアが傾いていると、開閉時に枠へこすれます。
ローラーの当たりや隙間が不適切でも、振動や異音が発生します。
見た目ではわずかなずれでも、毎日何百回と開閉することで摩耗が進む可能性があります。
乗場ドアは、かごが到着していないときに、昇降路側へ開かない構造でなければなりません。
閉まった状態で必要な固定と安全性が確保されているかを確認します????
ドア同士や枠との隙間が大きすぎると、安全性や見た目に影響します。
狭すぎると、温度変化や建物の変形によって接触する可能性があります。
開閉速度も調整します。
速すぎれば利用者が挟まれる不安を感じ、遅すぎれば待ち時間が長くなります。
建物の用途や利用者を考えた設定が必要です。
病院や高齢者施設などでは、一般の建物より余裕を持った開閉時間が求められる場合があります????
ドア部分には、人や物を検知して、閉まり動作を止めたり開き直したりする装置があります。
光による検知、接触による検知など、機種によって方式が異なります????
施工後は、人が通った場合、荷物がある場合などを想定し、検知範囲を確認します。
検知装置の位置がずれていたり、汚れていたりすると、正常に反応しない可能性があります。
一方で、感度が高すぎると、ドア付近に人がいないのに開閉を繰り返すことがあります。
安全性を確保しながら、日常利用へ支障が出ないように調整します。
エレベーターが各階へ正確に停止するためには、かごの現在位置を制御装置が把握する必要があります????
昇降路内に設置された位置検出部品や、巻上機の回転情報などを利用します。
検出位置がずれていると、かご床と乗場床の高さが合わなくなる可能性があります。
各階で停止させ、実際の床高さとの差を測定します????
荷物や乗車人数によっても停止状態が変化する場合があるため、さまざまな条件で確認します。
制御設定だけで調整するのではなく、機械側のブレーキやロープ、センサー取付位置なども含めて確認することが重要です。
エレベーターには、停止状態を保持するブレーキや、異常時にかごを安全に停止させる装置があります????
通常運転だけを確認して工事を完了することはできません。
電源が切れた場合、速度に異常が発生した場合、安全回路が働いた場合などを想定した試験を行います。
ブレーキの作動状態、スイッチの信号、制御盤の異常表示などを確認します。
安全装置は、普段は作動しないことが理想です。
しかし、必要なときに確実に働かなければ意味がありません。
そのため、施工時や検査時に動作を確認し、記録を残します。
エレベーター内で閉じ込めが発生した場合、外部へ連絡できる設備が必要です????
かご内の非常ボタンやインターホンを操作し、管理室や外部の連絡先へつながるかを確認します。
音声が聞き取りにくい、呼出し先が設定されていないなどの問題があれば、緊急時に役立ちません。
停電時にも必要な機能が動作するかを確認します。
建物の管理者へ、非常通話の使い方や連絡先の変更方法を説明することも重要です。
建物によっては、停電時や火災時に、エレベーターを特定の階へ移動させる機能を設けることがあります⚡
非常電源、消防設備、建物管理システムなどと連携する場合があります。
信号の接続先や動作条件を確認し、関係業者と一緒に試験します????
一つの設備だけでは正常に見えても、連動試験で問題が見つかる場合があります。
火災信号を受けたときにどの階へ移動するのか、扉はどのように動作するのかなどを確認します。
施工が完了したら、配線、端子番号、設定内容などを記録します????
将来の点検や故障対応では、どの信号がどこへつながっているかを確認する必要があります。
担当者の記憶だけに頼ると、数年後には情報が失われます。
設定を変更した場合は、変更理由や日時も残します。
記録があれば、故障原因を早く絞り込めます。
エレベーターは長期間使用される設備だからこそ、施工時の情報を次の技術者へ渡すことが重要です。
エレベーターは、巻上機やかごだけで動くものではありません。
制御盤、電源、移動ケーブル、位置検出装置、ドア装置、安全回路などが正しく連携することで、安全な運転が実現します。
配線を一つずつ確認し、ドアの開閉、停止位置、挟まれ検知、非常通話、災害時動作などを丁寧に試験する必要があります。
利用者がボタンを押してから目的階へ到着するまで、無数の信号と機械動作が行われています。
その一つひとつを確実につなぎ、異常時には安全側へ動作させること。それが、エレベーター工事業における電気・制御技術なのです⚡????????✨